京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

イレッサは肺がんに効果があるのか

肺がんの分子標的薬イレッサについて調べるため このブログにくる人がときどきいるようです。 イレッサによる治療について、 私の患者さんの症例も交えつつ説明してみます。 ◆ 新聞を賑わせた分子標的薬 イレッサは、2002年に日本で医薬品として承認され…

文化の日にラジオ番組に出演します

今週の木曜日、11月3日の文化の日に FM京都20周年特別番組「KYOTO CULTURE」で がんに立ち向かうからだ力について話をします。 「KYOTO CULTURE」は15:00から16:00の1時間で、 京大松本総長、大野博物館長のインタビューに続いて 私の話が放送されま…

がんを防ぐ長寿遺伝子サーチュイン

現在がんは急激に増えており、 二人にひとりは生涯のうちにがんを患う 可能性があるという時代になってきました。 今日は、がんを防ぐために役立つ サーチュイン遺伝子の話をしたいと思います。 ◆ がん細胞が生まれるメカニズム そもそも、がんはどのような…

検診でステージ1Bの肺がんが発見されたKさんの声(2)

検診でステージ1Bの肺がんが発見された 翻訳家のKさんからの声の後半を紹介します。 Kさんは現在はお元気で仕事も順調だといいます。 これからのご活躍が楽しみです。 >> Kさんからの声の前半はこちらになります。 >> Kさんの血液データなどの症例はこ…

検診でステージ1Bの肺がんが発見されたKさんの声(1)

Kさんは、市の検診でステージ1Bの肺がんが見つかりました。 勉強熱心な翻訳家のKさんは、 がんの治療法や積極的な心構えなど、 がんが見つかっても落ち込むことなく、 前向きに治療に取り組んでいます。 >> >> Kさんからの声の後半はこちらになります。…

がん体質の目安となるCRP

◆ 血液検査でがん体質がわかる がんが住みやすい体質が分かる「からだ力」で、 がんが住みやすい体質になっているかどうか 分かる指標を説明しました。 血液中の好中球とリンパ球の比率と、 炎症反応であるCRP値というふたつの数値によって、 がんになり…

ビタミンC大量投与で「からだ力」が向上した舌がんの男性(67歳)

私のクリニックでは、ビタミンC大量投与によるがん治療を行っています。 今日は、ビタミンCの大量投与によって ステージ3のがんが改善した患者さんの症例を紹介したいと思います。 ◆ ステージ3の舌がんが転移 この患者さんは、2007年に愛知県の病院…

抗がん剤の始まりは毒ガスから?

◆ がんは戦う対象なのか 現代のがん治療は、19世紀にパスツールやコッホなどが提唱した “細菌を殺す”という概念をそのまま治療学に用いています。 細菌は外部から侵入した異物なので、体の中の細胞とは 異なった構造をしています。 細菌は細胞膜の外側に細…

雲南イチイと青梅エキスで悪性リンパ腫が縮小した女性Mさん(89歳)

今日は悪性リンパ腫のMさんの症例を紹介します。 口内炎のような症状が出たMさんは、市立病院で治療を受けました。 ところが炎症は悪化する一方で、しだいに口が開かなくなってきたのです。病院で生検を行ったところ、悪性リンパ腫が発見されました。 病院…

糖尿病になるとがんリスクが高まるわけ

◆ がんは炎症のかたまり がんを引き起こすエントロピーで、体内に蓄積したエントロピーによって 体が酸化すると説明しました。 体が酸化するということは、つまり炎症状態になることです。 そして、がんこそが炎症の塊なのです。 実は炎症は、末期がんだけで…

糖尿病のKさんからの声

糖尿病と脳梗塞を患っているKさんが からすま和田クリニックで抗酸化療法を受けて どのように変化があったか、話を聞いてみました。 最近はずいぶん体調がよいようです。 ◆ 「抗酸化治療は免疫力を上げてくれます」 先ほどリハビリから帰ってきたばかりです…

糖尿病が改善し、長年の乾癬が治癒しつつあるKさん(63歳)

からすま和田クリニックには、がんの患者さんだけでなく、 糖尿病や高脂血症など生活習慣病の改善のために来ている方もいます。 生活習慣病を改善することは、がんの予防にもつながります。 からすま和田クリニックでは、抗酸化力を高めるための治療を行って…

がんが住みやすい体質が分かる「からだ力」

私は、からだ力を向上させることを意識して 具体的ながん治療を行っています。 からだ力とはがんとたたかうための免疫力と体の炎症を抑える抗酸化力 という二つの力を合わせたものです。 がん治療においても、がん予防においても、 からだ力をいかに高めるか…

食事とライフスタイルの改善で肺がんがおとなしくなった女性Kさん(58歳)

今日は、初期の肺がんが発見されたKさんが、 食事やライフスタイルの改善を行ううちに どのような変化があったか、 血液の変化を追いながら見てみたいと思います。 「からだ力」が上がるにつれ、 リンパ球数が増え、好中球の数が減っていくようすを、 グラ…

私の新刊の書評が掲載されました

京都に本社がある中外日報という宗教専門紙の新刊コーナーで 私の新刊『がんとエントロピー』を紹介していただきました。 2011年6月23日付の7面です。 私のがん治療のポイントが非常に分かりやすくまとめられています。 中外日報のみなさん、大変ありがとう…

外科手術と化学療法。どちらを選ぶべきか

がん患者さんの中には、手術をせずなるべく 抗がん剤で治療を行いたいという人もいます。 しかし手術と抗がん剤とでは、受け持つ役割がまるで違うのです。 現在、がんの切除手術で期待される効果は、 がんという体内の炎症の塊(つまりこれがエントロピーで…

がん細胞の数と、その数に応じた治療のめやす

この表は、私が考える、がん細胞の数とその数に対応するがん治療法の目安です。 たとえば耳かき一杯くらいの大きさのがん細胞の数は1000万個程度になります。 がん細胞が一億個程度にまで増えると、小指の先ほどの大きさになります。 がん細胞が10億個ほどに…

漢方薬「天仙液」によって「からだ力」が向上した末期肺がんの女性(73歳)

今日は、漢方薬を使いながら体調を改善した ステージ4の肺がんの患者さんの症例を紹介します。 この方は、余命2,3ヶ月と宣告されてから 私のクリニックにやってきたのですが、 抗酸化力や免疫力を高める治療を併用するがん治療により、 9ヶ月間生きられ…

がんを引き起こすエントロピー

◆ 生命は非平衡の開放系 前回、がんはどのようにしてできるのかという話をしました。 今日は、がんを引き起こすもととなるエントロピーの話をしようと思います。 私たちの体では、食べたものと体の中で作られるものによって、エントロピーと呼ばれる、 ある…

「からだ力」を高める治療法により症状が安定した肺がんの女性(63歳)

今日は、抗がん剤(分子標的薬イレッサ)の量を減らしながら、 自然食などで体調を改善した肺がんの患者さんの症例について説明します。 少量の抗がん剤以外は、サプリメントや自然食などのシンプルな治療法だけで 元気に生活しています。 この患者さんは6…

患者さんに優しいがん治療

現在、がんは二人に一人がかかるともいわれています。 日本の平均寿命が伸びたことや、食生活が欧米化していることからも、 今後がんにかかる方はますます増えてくると考えられます。 これから、 がんとはどういう病気なのか がんを防ぐことはできるのか 防…

がんはどうしてできるのか

がんを理解する 私は専門医として、約40年がんという病気をみてきました。 今感じていることは、がんを予防する、そしてがんを治療するためには、 がんを理解することが大切だということです。 まず、相手を理解することで、どのように対応すべきかが見え…

食事療法によって腫瘍が小さくなった進行性肺がんの男性(59歳)

甲田療法という食事療法によって進行性のがんを縮小させたYさんについてお話ししましょう。 甲田療法は、飢餓療法の一種で、一時的に栄養状態を落とすことでがん細胞の成長を抑えるという治療法です。Yさんは、50歳でがんが発見された当時は、5年生存率…

 からすま和田クリニックについて

2011年1月に、京都の烏丸御池にからすま和田クリニックを開きました。 患者さんとともに「苦しくないがん治療」を実践していきます。クリニックは京都の中心地、烏丸御池にあり、地下鉄の駅も近く極めて便利です。詳しいアクセスはこちらをご覧ください…

私のがん治療について

私のクリニックには、多くの進行がんの患者さんがいらっしゃっています。なかには、他の病院で、もうこれ以上できる治療はないと言われた人もいますが、食事療法や、抗酸化作用のあるサプリメントの服用、ビタミンC注射などをうまく活用することで元気に暮…