京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

食事とライフスタイルの改善で肺がんがおとなしくなった女性Kさん(58歳)

    今日は、初期の肺がんが発見されたKさんが、
    食事やライフスタイルの改善を行ううちに
    どのような変化があったか、
    血液の変化を追いながら見てみたいと思います。

    「からだ力」が上がるにつれ、
    リンパ球数が増え、好中球の数が減っていくようすを、
    グラフで比較しています。

    Kさんの治療のポイントは、
    活性酸素を減らす食事による「からだ力」の向上です。

    Kさんからの声をいただきました。前半はこちらです。
    後半はこちらからお読みください。

    ◆ 定期健診で肺がんが発見


    Kさんは、市の定期検診で胸部異常陰影を指摘され、
    肺がん(腺がん)が発見されましたが、
    自覚症状はなかったそうです。

    友人に誘われて、普段は行かない検診に行ったところ
    初期の肺がんが発見されたという、
    非常にラッキーなケースです。


    発がんの要因として、ヘビースモーカーの夫からの
    受動喫煙が考えられました。

    Kさんは肺がんのステージIBという早期で発見され、
    2005年7月に切除手術を受けました。
    しかし2006年12月に再び左肺にがんが見つかり、
    3D照射というコンピュータ制御による
    3次元立体照射治療を受けています。

    治療後、放射線によって肺臓炎を起こしたため、
    ステロイドによる治療を行いました。
    その後は「からだ力」を上げる(抗酸化力と免疫力を高める)
    食事指導による治療を行っています。

    食事指導以外に、Kさん本人もがんについてさまざまに調べ、
    一時は免疫活性療法も受けていたそうです。

    ◆ 2年間の治療による血液の変化


    下のふたつのグラフから、
    治療をはじめてからのKさんの血液の状態の変化が分かります。

    2007年の段階では好中球とリンパ球の比率が3.0と
    圧倒的に好中球の数が多かったのですが、
    2009年になると1.11とほぼ同じ数になっています。


    Kさんの2007年7月24日の血液データ
    • 白血球数の合計 7000
    • 好中球数 4781(68%)
    • リンパ球数 1596(23%)
    • その他(9%)
    リンパ球と好中球の比率 3.0




    Kさんの2009年9月16日の血液データ
    • 白血球数の合計 5300
    • 好中球数 2538(49%)
    • リンパ球数 2283(44%)
    • その他(7%)
    リンパ球と好中球の比率 1.11




    ◆ 現在は元気にお過ごしです


    体内の活性酸素を消去することに
    重点を置いた食事指導を行った結果、
    Kさんの血液中のリンパ球が増え、「からだ力」が向上したのです。

    Kさんは、がん発見時に切除手術を、
    再びがんが見つかったときは
    放射線ピンポイント(3D)照射治療を行っていますが、
    それ以降に行った治療は食事とライフスタイルの改善のみです。

    現在は「からだ力」が向上したため、
    再発の兆しもなく極めて良好な状態で生活を楽しんでいます。

    Kさんからの声をいただきました。前半はこちらです。
    後半はこちらからお読みください。