京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

糖尿病が改善し、長年の乾癬が治癒しつつあるKさん(63歳)

    からすま和田クリニックには、がんの患者さんだけでなく、
    糖尿病や高脂血症など生活習慣病の改善のために来ている方もいます。
    生活習慣病を改善することは、がんの予防にもつながります。

    からすま和田クリニックでは、抗酸化力を高めるための治療を行っています。
    この治療は主にがん患者さんを対象にしたものですが、
    生活習慣病にも効果的です。

    ◆ ビタミンC療法で糖尿病が改善


    今日は、昨年11月からからすま和田クリニックに
    通院しているKさんの症例を紹介します。

    糖尿病のKさんがはじめてクリニックにやってきたときは、
    30年来の糖尿病に加え、3年前に脳梗塞を併発しているという、
    かなり悪化した状態でした。
    現在はインスリンを一日に20〜30単位
    自己注射しているとのことです。運動能力も低下していました。

    このような症状の場合、Kさんの体内では、
    糖とたんぱく質が結合してできるAGEs(糖化最終産物)という物質が
    大量に蓄積していることが考えられます。
    AGEsは活性酸素を発生し、老化の原因になります。

    そこでTさんの治療方針として、
    体内の抗酸化力を高めることを目標にしました。
    詳しくはこちら(参考ページ)>>

    Kさんには月に1回クリニックに通って、
    体の抗酸化力を高めるためのビタミンC療法を
    受けてもらうことにしました。
    ビタミンCは、来院のたびに25グラム注射しています。

    自宅では、私の指導する食事療法を実践してもらうことにしました。
    食事療法の内容として、できるだけ玄米と野菜、海藻を中心とした
    和食を食べるようすすめました。

    通院して約9ヶ月になりますが、
    KさんのHbA1Cの数値は順調に下がってきており、
    一時は7.5まで上がった数値が、2011年8月現在は6になりました。

    体の酸化の度合いの指標となるCRPの数値も、
    最も高い時期の0.5から、現在は0.132という
    数値まで下がりました。
    ビタミンC療法や食事療法が効果を発揮したのでしょう。




    ◆ 治療困難な疥癬がほぼ治癒


    Kさんは、もうひとつ悩みを抱えていました。
    長年にわたって両腕の真ん中あたりが重度の乾癬におかされており、
    非常に痛々しい状態だったのです。

    乾癬は、皮膚の表面が赤く腫れ上がり、
    その上の角質が白く剥がれ落ちる慢性の皮膚疾患です。

    乾癬は治りにくい病気としても知られています。
    人に感染することもなく、また直接命に関わる病気でもないのですが、
    患部が目立つため患者さんご本人はとても気にしていました。

    乾癬の原因はまだよくわかっていませんが、
    糖尿病が遠因の一つとなっていた可能性もあります。
    生活習慣病患者に乾癬を患っている人が多いということが、
    以前から指摘されているのです。

    興味深いことに、Kさんが私のクリニックで治療を始めてから、
    乾癬の症状が次第に穏やかになってきたのです。
    変化が現れはじめたのは今年に入ってから、
    とくにここ2ヶ月ほどの間です。
    長年苦しんだ乾癬が収まりはじめ、
    今では患部が乾いて治癒しつつあります。


    ビタミンCによる抗酸化治療がKさんの体の総合的な底力を高め、
    その結果、糖尿病だけでなく乾癬の症状も改善されたのでしょう。

    今後の経過が楽しみなKさんです。

    >> Kさんからのご意見をいただきました