検診でステージ1Bの肺がんが発見されたKさんの声(1)
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Kさんは、市の検診でステージ1Bの肺がんが見つかりました。
勉強熱心な翻訳家のKさんは、
がんの治療法や積極的な心構えなど、
がんが見つかっても落ち込むことなく、
前向きに治療に取り組んでいます。
>> >> Kさんからの声の後半はこちらになります。
>> >> Kさんの血液データなどの症例はこちらになります。
◆ 肉が好きで野菜はあまり食べませんでした
現在61歳で、肺がんが見つかったときは54歳でした。
あれからもう7年になります。
がんになる前の食生活は、お肉が好き、
とくに鶏の唐揚げが大好きでした。
お野菜や果物はあまり食べませんでした。
豆腐や野菜はお腹が張って苦しくなる気がしたので。
お酒は飲みません。
◆ 自分が肺がんになるはずはない
肺がんが見つかったきっかけは検診でした。
住民検診でがんが発見される人は少ないと聞いていたので、
ずっと集団検診はあてにならないと思っていました。
X線も毎年受けたことがなく、
血液検査と尿検査しかしていませんでした。
私はたばこを吸わないので、
肺がんになることは ないと思っていたのです。
本当はそうではなく、私のケースである肺野部のがんは
たばこを吸わない人にできるがんだそうです。
夫はたばこを吸っており、
結婚した当初はヘビースモーカーでした。
◆ 友人に連れられて“たまたま”受けた検診
そのときに限って友人に誘われて健康診断に行きました。
がん検診を受ける友人にくっついて、
ついでに受けてみたのです。
彼女といっしょでなければがん検診は受けませんでした。
それで見つかったのだから、とてもラッキーでした。
結果は要精密検査、X線の再検査ということでした。
そこで近所の病院で再度X線の検査を受けたところ、
問題ないということでした。
実は小さく光るものが写っていたのですが、
これはミスだと言われたのです。
どうしても心配なら3ヶ月後に来ればいいと言われました。
しかし心の中で「大丈夫ではない」と言っている声が聞こえました。
◆ 「ただことではない」という心の声
どうしても納得できなかったので、
もうひとつの病院に行くことに決め、
すぐに向かいました。
実はその病院には数年前のレントゲンの記録があったので、
比較してもらおうと考えたのです。
そこではレントゲンだけでなく、CTも受けました。
がんの検査は気持ちのいいものではありませんが
懸案事項は早く片付けたかったので、
どんどん行動したんです。
問題がなければそれで解決するわけですから…。
しかし、ただことではないと心の声が叫んでいたことは事実です。
◆ やはり肺がんだったと分かる
しばらくして結果を聞きに行ったところ、
いつもは辛口な先生が、すごく気の毒そうだったのが
印象に残っています。
1期のBで3センチくらいあったため、
転移の可能性も考えていたのかもしれません。
別の病院の紹介状を書いてもらうことになったとき、
仕事仲間の父親が肺がんの専門医だと
聞いていたことを思い出し、
和田先生に診てもらうことに決めました。
その話を聞いたのが数日前でしたから、すごい縁だったと思います。
◆ より動揺したのは夫
すぐに京大病院に行き、和田先生に見てもらいました。
肺がんはすぐ分かり、手術を受けることになりました。
転移があるかもしれないのでPETを受けるようにとも言われました。
はじめて見てもらったとき、
1期のBなので転移さえなければなんとかなるでしょう、大丈夫!
と言われたことを覚えています。すごくほっとしました。
私よりも、一緒に行った夫のほうがもっと安心していました。
がんが見つかって以来夫はずっと沈痛な様子だったのですが、
先生の言葉を聞いて落ち着いたようでした。
当時飼っていた犬の容態も悪かったため、
私と犬が両方死ぬかもしれない、と悩んでいたようです。
でも先生が「大丈夫ですよ」と言ったのを聞いてから、
いつもの夫に戻っていました。
和田先生の言葉には安心感がありました。
先生は励ますために大丈夫と言ったのだと思うのですが、
それがオーラというかなんというか、
先生の気持ちのようなものがこちらに伝わってきて
私だけではなく夫も元気になっていたのです。
わたし自身はがんの宣告を受けて落ち込むタイプではありません。
ネットで調べたり、本を読んだり、
できることはいろいろありますから。
先生のホームページで情報を集め、
最悪でも5年は生きられる…と自分を支えていました。
◆ 入院生活で誰かの役に立てる喜び
手術はすぐに行われ、肺の上部すべてとリンパを取りました。
右肺は3つに分かれているので、取る量が少ないけれど、
左肺は2つに分かれているので大きく失います。
切除後も生活に支障が出ることはほとんどありませんが、
呼吸はときどき苦しくなります。
手術前は手術がこわくて落ち着きませんでしたが、
手術さえ終わればあとはよくなる一方と思っているので、
精神的には過ごしやすかったです。
だからあまり入院は怖くありませんでした。
入院生活も楽しかったです。
病室では自分が一番軽かったので、
病状が重い人のためにお役に立つことができました。
人に役に立っているということがすごく幸せだったのです。
病院は行きたくない場所ではあるけれど、
自分の役割を再認識できるところでもありました。
ひとりじゃないというだけでだいぶ違いますね。
一人で苦しんでいるわけじゃない、
と思うだけでがんばれます、連帯感もあります。
◆ まだやることはあるはず
退院後は、毎月CTなどの検診を受けながら家で過ごしていました。
本やネットで情報収集は続けました。
知識欲が旺盛なので、たとえば腸が大事と聞いたら
腸のマッサージに行くなどして、
食事に気をつけながら体にいいことをしていました。
入院中に、浅見帆帆子さんの「あなたは絶対!運がいい」
という本を読んでいたので、
プラス思考を心がけたということはあります。
がんが見つかり手術するまでのプロセスひとつひとつで、
自分はラッキーだと思えることがありました。
病気がきっかけで浅見さんの本に出会えたということも、
きっと私はまだ死なないということなのだろうと思っていました。
◆ ふたたび肺がんが見つかる
これだけラッキーなできごとに恵まれているということは、
神様からやることがあると言われているのだと思っていたので、
1年3ヶ月後に検診で、ふたたび肺にがんが見つかったときは
本当にショックでした。
和田先生の意見では、こんなに小さながんは再発とは
いえないということでしたが、
PETを受けたところ光っていたので、
放射線のピンポイントで焼きました。
そのとき思ったのは、いろいろ自分で気をつけた
つもりだったけど足りなかったのかもしれないということです。
それからはもっと健康に気をつけ、
精神面でもポジティブになるよう心がけました。
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