京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

「第1回―天寿を全うするために―」

現代人にとって、がんが体に出来るのはさけようのないもののように思います。がんと診断されれば、つらい抗がん剤治療、患部の切除、そして転移への恐怖におびえていかなければなりません。

本当に、これでいいのか?自分もこんな治療を受けたいのか?それが私が今の治療をはじめたきっかけでした。

まず、1回目の今回はこんな患者さんがいますよ、ということをお話しいたします。



この方は悪性リンパ腫という病気で腫瘍が右の扁桃にできています。来院時は89歳で、ちょうど1年前にお孫さんが亡くなられ、相当なショックを受け、その1年後に悪性リンパ腫が出てきたそうです。口がうまく開けられずに、あごの周りのリンパ節も腫れていました。娘さんが、クリニックに来られて、「悪性リンパ腫はほとんど抗がん剤治療をするそうですが、抗がん剤は大変だから、他の方法はありませんか?」との相談を受けましたので、次に述べるようなことを行った結果、1ヵ月半後にはほぼ治って、口も大きく開けられるようになった方です。



まず行ったことは梅エキスの摂取です。梅のエキスを製品化した『ミサトール』というものがありまして、非常に簡便なもので、自分の痛いところにしみこむように飲みなさいと伝えました。それともう一つ、紅豆杉という、イチイの木の煎じ薬があります。それを煎じて、お茶のようにして、こちらも同様にしみこむように飲んで頂きました。紅豆杉はもともとイチイの木ですから、抗がん剤としてよく使われる、タキソールやパクリタキセルなどの原料、タキサンを多く含んでいます。こういうものを飲んで、1ヵ月半で治りました。ミサトールを1日に2袋、紅豆杉のお茶を1袋、煎じて飲んでもらい、月に3万円程度のお金で治療できました。その後、3年8ヶ月経った去年の暮れに、91歳で天寿を全うされました。朝起きて、みんなと話しをして、しばらくして「おばあちゃ〜ん」と声をかけたら、もうご自分の寿命を終わられていたそうです。寝込むことも、おしめをつけたりすることもありませんでした。

なぜ、あれほど過酷ながん治療をせずに、この方が天寿を全うできたのか?次回はがん細胞の秘密に迫ります。