がんが住みやすい体質が分かる「からだ力」
私は、からだ力を向上させることを意識して
具体的ながん治療を行っています。
からだ力とはがんとたたかうための免疫力と
体の炎症を抑える抗酸化力 という二つの力を合わせたものです。
がん治療においても、がん予防においても、
からだ力をいかに高めるかということが前提となります。
手術療法、抗がん剤療法、放射線療法などの
標準がん治療による治療は、
十分にからだ力を高めてから行うべきだと私は考えています。
逆に言えば、標準がん治療が効果を発揮するかどうかは、
からだ力が下支えしてくれるかにかかっているのです。
抗がん剤を使うのがよいか、手術すればよいかという判断は
まず、患者さん本人のからだ力が
どのような状態なのかということを
数値によってしっかり見極めてから行わなくてはなりません。
このからだ力ですが、実は簡単な血液検査によって
知ることができるのです。
それは
● 血液中の好中球とリンパ球の比率
● 炎症反応であるCRP値
のふたつの数値です。
指標の目安としては、好中球とリンパ球の比率が2以下、
できれば1.5以下が望ましい数値です。
リンパ球数が好中球数に対して2分の1が目安なので
たとえば好中球数が2000であればリンパ球数は1000です。
好中球数が4000であればリンパ球数は2000となり、
合計で白血球の総数が6000以上という
理想的な数値になります。
しかし、実際には抗がん剤治療中の患者さんで
この数値を出す人はいません。
白血球の総数が6000以上あるのは、
いわゆる健常人の数値です。
炎症指標であるCRP値の目安は0.05以下程度です。
これより数値が低ければ、十分なからだ力があると考えられます。
定期的に血液検査を行って、この数値を把握しておくと
自分の体調がどのようになっているのかを
明確に知ることができるのです。