がん体質の目安となるCRP
◆ 血液検査でがん体質がわかる
がんが住みやすい体質が分かる「からだ力」で、
がんが住みやすい体質になっているかどうか
分かる指標を説明しました。
血液中の好中球とリンパ球の比率と、
炎症反応であるCRP値というふたつの数値によって、
がんになりにくい体質かどうかが推測できるのです。
血液検査をすれば、がんになりにくい体質かどうかが分かります。
定期的な血液検査でこれらの指標を見ていけば、
体がどのような状態になっているかが見えてくるのです。
◆ CRPはがんが暴れているときに上昇
今回は、炎症反応であるCRP値について説明します。
CRPは、Cリアクティブ・プロテイン(C炎症性蛋白)という意味で、
体の中で炎症が起きているとき、血液中に表れる物質です。
炎症が激しいほど、CRPの値が大きくなります。
いわゆる「がん体質」は、がんが住みやすい状態になっている
炎症体質ということができます。
たとえば末期のがん患者さんが亡くなる直前には、
CRP値が急激に上昇します。
これは体内で活性酸素が大量に発生している
ということを意味します。
がん細胞は、サイトカインという物質を出して血液を集め、
成長のための栄養にします。
このとき血液中の好中球が活性酸素を出すのです。
がんの末期になると、体中に活性酸素が大量に発生している
という状態になってます。
◆ がん末期のCRP値
アスベストによる胸膜中皮腫で亡くなった
患者さんを例にとってみます。
この患者さんが亡くなる三週間ほど前のCRP値は
22.99まで上昇していました。
肺がんで亡くなる直前の血液検査でCRP値が
12.24となった患者さんもいます。
この患者さんは、その一週間ほど前にも血液検査をしていますが、
その時点では6.62でした。
がん末期になると急激にCRP値が上昇するのです。
このとき体内は、激しい炎症状態となっています。
ちなみに健康な人の場合、CRP値の目安は0.05以下です。
体内に炎症がない場合は、0.01や0.02程度まで下がります。
ところががんになると、この数値がてきめんに
0.1程度まで上がるのです。