京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

「最終回―総論2―」

本講座も最終回。総論の後半になります。



繰り返しになりますが、がんを叩く、打ち負かす治療は、自分の体をも叩くことになります。適切な体をつくれば、副作用が少なく、有効な治療が受けられます。

結局は、我々の分かっていないことがたくさんあり、生命体は自分の体を守ろうとします。しかし、生きているものは必ず死にます。ですが、死ぬまで元気にという言葉にありますように、日常生活の質を良くして、自分の人生を元気に過ごせることは、非常に良いことです。民間療法の中には、正しいというか非常に良いものと、ちょっと怪しいな、わからないなというものが、混在しているので見極めることが大切です。しかし、患者さん個人で見極めることは、ほとんど出来ません。一番簡単なのは、患者さんが行っていることが3〜4ヶ月経過した時点で、血液のデータが良くなってくるかどうかで判定できます。そういうことを出来る医者がもっと増えると、患者さんが相談しやすくなるのですが、まだまだ先は長いと思います。


今、説明したことを書いた本がありますので、ご興味があればご覧ください。

「がんとエントロピー―「からだ力」で立ちむかう 」NTT出版より2011年4月刊行。
「がんに負けないからだをつくる」は春秋社より2013年6月刊行(和田洋巳、松本恭著)。

本講座は2013年4月6日に私が行った講演をもとに再構成しております。
近く、別の講座などもアップする予定ですので、よろしければご閲覧ください。

ご閲覧いただいた皆様、有難うございました。