京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:なぜがんは発生し、成長し、そして増殖するのか?〜第18回〜

今回はまとめの続きです。

シュレディンガーは『命を持ったものは、いずれ灰に帰る。平衡状態から灰に帰る。我々は平衡ではなく、非平衡で、ものを取り出して排泄することで生きているので、このやり方次第で今の状態を変えることはある程度できる。健康な状態から病的な状態に行くときには、一直線に行かずに、必ず高い閾値を越えなければならない』ということを説いています。



非線形と言いますが、要するに連続的ではないということで、多数のファクターが絡むような現象は非線形であることが多いのです。ですから、健康な体とがんの体は、ゆるやかに変化するのではなく、一旦がんになると、戻すにはそうとうエネルギーを要することになります。ところが、がんになった体を健康なときと同じように治療してしまうので、治る確率が非常に少ないのです。



要は生命力を維持できるようにして、体の中にたまる老廃物を排出すれば、健康な生活が長くできるのではないでしょうか。