京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:なぜがんは発生し、成長し、そして増殖するのか?〜第17回〜

今回からはまとめに入っていきます。


細胞はがん化することで代謝の異常を示します。生き延びるためにそういう性質(異常な代謝システム)を持ったものが、がんになると思って間違いないのですが、代謝は腫瘍に大きな影響を与えるので、代謝を上手にコントロールしないとがんは治りません。



また、PLoS ONEの報告によれば、ウルソール酸は非常に炎症を抑えることが示唆されています。

結局、私も含めて、医者の知らないことは山ほどありますが、患者さんが教えてくれます。生命体は長い歴史の中で自分を守ることを行ってきました。しかしながら、いずれは死にます。ただし、どのように死ぬかの問題として、今のがん治療は、まるで体の中の害虫を叩くような形で、生命体の持っている摂理、生きている理屈を無視して叩きまくっていますから、治ることは非常に少ないだろうと思います。
民間療法も絶対悪いわけではないのですが、良いものもあれば、悪いものもあります。
ちなみに患者さんの中には甲田療法で悪くなったと言って戻ってきた人もいました。甲田療法では食塩を10gくらい摂るように指導されているので、まず、それをやめて梅エキス摂るように指導したところ、骨に転移し車椅子で来院した患者さんが、1ヵ月後は歩いて来院し、2ヵ月後には車を運転して来院できるほど回復したのですから、非常にうまくいくこともあります。この時点では、梅エキスが有効であることはわかっておりましたし、和歌山の方だったこともあり、たくさん梅エキスを摂りなさいとだけ指導しました。梅エキスを1日に15g摂取し、半年後には『先生治ったでー』と来院されました。潰瘍は治癒し、胸水も抜けて、非常に元気でした。乳がんとトリテルペノイドは、非常に相性が良いようです。

このように、私は患者さんに教えていただいた情報をもとに、そして患者さんとともに「がんが住みにくい体づくり」を目指しています。