京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:なぜがんは発生し、成長し、そして増殖するのか?〜第19回〜

今回は最後のまとめになります。




結局、がんの住みにくい体を作るには、炎症を抑え免疫能を上げ、そしてそれらを潰さないような、何か抗がんするような物質(抗がん剤に限らないわけですが)が、がん治療には大切なのではないかと思います。



ノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンの『非平衡における自己構成』という言葉があり、人間の体はこういう形で生きているということを示しています。



図中のdeSとdiSは老廃物を表しています。それは体内において発生するものもあれば、外から取り込んだものも溜まります。生命体にはこれを外に排出する機能が備わっています。大小便による排泄物、呼吸、汗の4つしかありません。これをしっかりやって摂取する方を調節すると、今あるエントロピーを下げることはかなり可能になります。



前述について書いた本が『がんとエントロピー』です。現在、私はこういう考えの下に治療を行い、良い結果が出ることもあれば、もちろん患者さんが亡くなられることもありますが、そこそこの形でやれております。

ちなみにこちらは新刊の『がんに負けないからだを作る』です。
今、私どもが考える“がんが住みにくい体づくり”に適した食事についてのレシピ本を製作しています。また近日中にご紹介できればと思います。

講座「なぜがんは発生し、成長し、そして増殖するのか?」を見ていただきありがとうございました。
次回以降またいろいろと情報をご紹介していきたいと思いますので、今後ともお付き合いいただければと思います。