京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:医食同源・あぶらの話3

 前回は、脂肪酸と代謝・病気との関連性について簡単なご紹介をしました。今回はさまざまな油脂をどのようなバランスで摂れば良いのか、またどのようなメカニズムがその裏にあるのかといった部分を紹介していきます。
 
 前回お話したように、オメガ3とオメガ6は人間のからだでは作ることができないため、必須脂肪酸と呼ばれています。また、特にオメガ3は摂取しにくいものであるため、オメガ6が多くなりがちです。
 ですが、オメガ3とオメガ6は理想的には1:1で摂ることが望ましいとされています。


 

 オメガ3がなぜそれほど重要なのかということについては、以下の2つのスライドに書いてあるようなことからおわかりいただけるかと思います。


 
 前回もお話したようにオメガ6は分解の過程でアラキドン酸となり、炎症を誘発させるようなプロスタグランジンを作るのに対し、オメガ3は炎症を抑制するようなプロスタグランジンを作ります。これらのバランスが崩れたとき、がんの転移や増殖が進むことは容易に想像できます。

 次回は、さらに詳しくオメガ3とオメガ6について見ていきたいと思います。