京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:医食同源・あぶらの話2

前回は、油脂の種類と特徴についての説明をしました。今回は、脂肪酸と代謝・病気との関連性についてご紹介していきます。

飽和脂肪酸不飽和脂肪酸については前回ご説明しましたが、不飽和脂肪酸はオメガからの二重結合の位置により判別する他に、二重結合の数により判別することもあります。

このうちオメガ9と呼ばれるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸、オメガ6と呼ばれるリノール酸やオメガ3と呼ばれるαリノレイン酸は多価不飽和脂肪酸といいます。ちなみにこのαリノレイン酸を豊富に含む油脂は非常に少なく、アマニ油やエゴマ油にしかほとんど含まれていません。

人間の体内では、飽和脂肪酸からオレイン酸を作ることはできても、リノール酸やαリノレイン酸は作ることができないので、これら二つを必須脂肪酸と呼んでいます。

これら脂肪酸の体内での代謝には三つの流れがあると言われています。

必須脂肪酸であるリノール酸とαリノレイン酸は、それぞれプロスタグランジンという物質を作りますが、特にαリノレイン酸は意識して摂らなければ摂りにくい脂肪酸であるためバランス良く摂らなければ疾患につながるとされています。


ではどのようなバランスで摂れば良いのか、またどのようなメカニズムがその裏にあるのか、次回以降紹介していきます。