京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:なぜがんは発生し、成長し、そして増殖するのか?〜第13回〜

前回、前々回と症例のご紹介をしてきました。症例からわかることはがんと栄養・代謝の密接な関わりです。前回の終わりにもお伝えした通り、がんはブドウ糖を非常に好むことがここまででおわかりかと思いますが、すると、がんと並ぶ慢性疾患の糖尿病との関連性が頭に浮かんできます。今回は、この糖尿病とがんの関係についてご紹介していきたいと思います。



ヒトの血液中で、糖の濃度が高いとどうなるのかというと、糖尿病とある種のがんの相関は年齢や肥満、食事そして身体の不活動性のため、危険因子を有している可能性があります。そして糖尿病の直接的なものは高インスリン血症、高血糖、そして炎症を含んでいます。糖尿病ではIGF(Insulin-like growth factor)が多く産生されているとも報告されています。

この文章が非常に生ぬるいのは、アメリカ医師会との共同レポートなので、きつく書くのを止められたとのことです。糖尿病はがんの予備軍であるということを、もっと強調したかったというレポートです。

結局がんの住みやすい体は自分が作ったという認識をもたないと、がん治療はできません。自分の身体にできたものは、自分で作ったものです。それを変えないでがんを叩くと、自分を叩くことになります。がんが住みにくい体はどうしたら作れるかというと、ようは自分の体を作り変えるということです。

次回はまた症例紹介をしたいと思います。