京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:なぜがんは発生し、成長し、そして増殖するのか?〜第14回〜

前回、糖尿病とがんの関係についてのレポートをご紹介しました。重要なことですので、あえて何度も書かせていただきますが、結局がんの住みやすい体は自分が作ったという認識をもたないと、がん治療はできません。自分の身体にできたものは、自分で作ったものです。それを変えないでがんを叩くと、自分を叩くことになります。がんが住みにくい体はどうしたら作れるかというと、ようは自分の体を作り変えるということです。

今回は、乳癌肺転移の方の症例になります。

この人は、数年前に手術を受けられましたが、肺に胸水がたまって、画像中で光っているものは乳がんの転移です。2011年1月に来院されまして、四国の病院でタキソテールを大量に投与しているけれど良くならないとのことでした。生活指導して、これ以上タキソテールを使ってもしんどいだけだから、減らしてもらいなさいと伝えました。


患者さんも勇気がいるのでなかなか言えなかったのですが、体のほうがもたないということで少しずつ減量していきました。するとがんが小さくなり始めました。この間に彼女に指導したことは、食事以外には、梅エキスを大量に摂ってみなさい、と言うことだけです。最近は抗がん剤を受けると体調が悪いというので、もうやめてもいいのではないかと話しています。この人は食事の指導だけで、転移がんがかなり減りました。そのかわり梅エキスを、多めの1日10g摂ってます。

次回は、少し話を変えまして、生活習慣の中で栄養とならび重要である運動とがんの関係についてご紹介します。