京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:こころとからだ〜がんは自分が作ったもの〜12

前回は、通常では治癒は難しいと思われる状態から回復した「劇的な寛解」を得た方たちに共通する要因をまとめたケリー・ターナー博士の書籍「がんが自然に治る生き方」のご紹介をしました。
前回は、劇的な寛解に至った方たちがしてきた9つのことのうち、
1.抜本的に食事を変える
2.治療法は自分で決める
という2点についてご紹介しましたが、今回は、
3.直感に従う
についてご紹介していきます。

直感というものは、右脳的行動ということはお聞きしたことがあるかと思いますが、この右脳の中でも大脳辺縁系により制御されています。


大脳辺縁系は、脳の中でも上位に位置する部分ですが、ここからの入力や出力が下位の中枢に伝えられることで、ヒトは行動を起こします。そして、その下位中枢に信号を伝える役割を担っているのが、間脳と呼ばれるところです。

この間脳は、視床視床下部で構成されており、以前、下図で見せたようにさまざまなストレス反応に関わる視床下部・下垂体経路を抱えているということになります。

このように、直感に従うということは、本能的に確かさがあると考えた方法を選ぶということであり、モチベーションの向上や、ストレスの軽減などに関与してくると言うことにつながります。
劇的な寛解を得た方さんたちは、このようにして治療に前向きに取り組んでいるのだと思います。

次回も引き続きこの「劇的な寛解」について紹介していきます。