京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:こころとからだ〜がんは自分が作ったもの〜13

前回まで、ケリー・ターナー博士の書籍「がんが自然に治る生き方」のご紹介の中から、劇的な寛解を得た方たちがしてきた9つのことの内、3つ目までを紹介してきました。
今回は、
4.ハーブとサプリメントの助けを借りる
5.抑圧された感情を解き放つ
6.より前向きに生きる
の3点についてご紹介していきます。

まず、ハーブとサプリメントの助けを借りる、ということですが、これは、免疫力の回復や体内の浄化につながるものと思われます。
当クリニックでも、野菜中心の食事療法と併せて、梅エキスや紅豆杉など、いくつかのサプリメントを処方しますが、これは体内の免疫力の回復を助けるためです。また、このような食生活は、腸内の細菌叢を変えます。
最近では、腸内細菌叢は、免疫機能や癌化と深く関わっているとされており、適切な形でのサプリメントの利用は、寛解への大きな助けになるのだと考えられます。

次に、抑圧された感情を解き放つ、ということについてです。
少し、言葉としてわかりにくい部分があるかと思いますが、病気というものは、何かしら私たちの身体・心・魂に支障を来たし、詰まりが生じている状態ということができます。



つまりは、この詰まりを解消することはもちろんのこと、詰まりが起きない(再発しない)ように改善をすることが、治療には必要と言うことです。
ストレスや怒り、恐れといった感情は、免疫システムに確実に影響を及ぼすものといえますが、これらを解放することが、免疫システムの持続的な強化につながるといえます。
がんを恐れるのではなく、自分の身体の一部だと考えて、対処していくことが、劇的な寛解には重要なのだと思います。

こちらも、少し似た内容ですが、より前向きに生きる、ということです。



ストレスと前向きな精神は、相反しているものです。ストレスを感じれば、コルチゾルやアドレナリンといったストレスホルモンが出ますし、前向きな気持ちになれば、セロトニンドーパミンといった免疫システム活性化に働くホルモンが出ます。
こうした好循環を生むための取り組みを少しずつ生活の中に取り入れ、習慣化することも治療には重要な要素になってくると思います。



このように書いてきてみると、この講座でお話ししてきた内容そのものということがわかるかと思います。

非常にシンプルに言ってしまえば、食事・口に入れるものの重要性、さらに治療に向かう心持ちの重要性、これらが合わさって初めて、好循環が生まれてくるということになるかと思います。

次回は、この「劇的な寛解」を得た方たちがしてきた9つのことのうち、最後の3つのことについて説明していきます。