京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:こころとからだ〜がんは自分が作ったもの〜14

前回まで、ケリー・ターナー博士の書籍「がんが自然に治る生き方」のご紹介の中から、劇的な寛解を得た方たちがしてきた9つのことの内、6つ目までを紹介してきました。
今回は、最後の3つ、
7.周囲の人の支えを受け入れる
8.自分の魂と深くつながる
9.どうしても生きたい理由を持つ
についてご紹介していきます。

まず、周囲の人の支えを受け入れる、ということですが、これは自分が鬱屈しているときや、孤独・恐れ・怒りを抱いているときはなかなか難しいことかもしれません。ですが、そのようなときこそ、周りの人たちに支えられていることを思い出し、治療に向かう姿勢を見直すことも必要だと私は思います。実際に孤独が癒やされているときには、身体の中でも恐怖心を落ち着かせるような働きを持つオキシトシンといったホルモンも出ているそうです。



次の、自分の魂と深くつながる、ということも近い話です。自分をしっかりと見つめ直すこと、例えば瞑想というのは、そういった行為の一つですが、このような時には、やはり睡眠ホルモンであるメラトニンといった物質が出ています。要するにリラックスできていると言うことですね。



最後に、どうしても生きたい理由を持つ、ということですが、これは強烈なモチベーションにつながるという意味で欠かせない要素のように思います。私のクリニックでも同様のケースはよく見られます。下右図の患者さんは、抗癌剤治療で悪性リンパ腫寛解した後、再発し、抗癌剤のつらい治療を乗り越える方法を探して、私のところに来ました。

この患者さんは、つらい治療から解放され、癌を乗り越えるため、食事を全面的に変えることで、血液指標も改善し、再発病巣も縮小し、抗癌剤治療をせずに済んでいます。

この患者さんにも、「どうしても生きたい理由」があったからこそ、生きるための正しい治療を模索することができたのだと思います。
これまで4回に分けて、劇的な寛解に至った方たちがしてきた9つのことをご紹介してきました。

次回からは、これらの9つのことのまとめと、この講座全体のまとめをしていきます。