京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室

がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。

講座:医食同源・あぶらの話10

今回からは、ここまで何度も出てきている物質であるプロスタグランディンについてのご説明をします。

プロスタグランディンは以下に示すようにたくさんの種類が存在しますが、大きく分けると炎症性と抗炎症性のものに分かれます。

炎症性と抗炎症性のプロスタグランディンをバランス良く生成させようとすると、オメガ3系とオメガ6系の脂肪酸を1:1で摂取する必要があることは前にも書きましたが、オメガ3系であるαリノレン酸系の脂肪酸はなかなか摂取することが難しい脂肪酸です。



ちなみに、プロスタグランディンを生成するための脂肪酸は生体膜から切り出されますが、この阻害剤がステロイドです。つまり体内での過剰な炎症を抑える場合の対症療法としてステロイドが使われるわけです。

ではαリノレン酸はいったいどんな脂肪酸なのか、次回はそこから説明をしていきます。